2021/06/10

【50~60代のご両親が要介護にならないために】脳ドックで検査をすすめる理由

検査
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監修医 知久 正明(ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

若い世代の方にとって、ご両親の健康状態は気になるはず。脳梗塞をはじめとする脳疾患は、すべての年代で発症の可能性がありますが、加齢とともにリスクは上昇します。この記事では今元気な50代・60代の方にこそ、脳ドックをおすすめする理由をご説明いたします。
目次

半数が要介護に!? 気をつけたい脳疾患

脳卒中は毎年患者が多く、命に関わることも多い病気。
もし仮に一命を取り留めたとしても、介護が必要な状態になる方が多いです。
要介護になる割合は、認知症に次いで全体で第2位ですが、もっとも介護が必要な状態「要介護4」「要介護5」になる方は、認知症を抑えて第1位になっています。

表1 介護が必要となった主な原因 (単位:%)
第1位 第2位 第3位
要介護1 認知症 29.8 脳血管疾患(脳卒中) 14.5 衰弱(加齢) 13.7
要介護2 認知症 18.7 脳血管疾患(脳卒中) 17.8 骨折・転倒 13.5
要介護3 認知症 27.0 脳血管疾患(脳卒中) 24.1 骨折・転倒 12.1
要介護4 脳血管疾患(脳卒中) 23.6 認知症 20.2 骨折・転倒 15.1
要介護5 脳血管疾患(脳卒中) 24.7 認知症 24.0 衰弱(加齢) 8.9

ご両親が病気になり、要介護となった場合、家族のみなさんの生活にも大きな影響があります。
休日の多くを介護に費やすことになると、自分の仕事・プライベートにもかなり関係してきます。金銭面での負担もそうですが、それ以上に時間を費やすことが精神的にも肉体的にも辛いかもしれません。
また脳疾患になった本人も、家計が難しい状況になり、介護される側にまわることで大きな心理的負い目を持つことも多いと思います。

このような観点で考えてみると、ご両親世代には今一度健康について考えてもらい、いつまでも健康に過ごしてもらうための働きかけが必要かもしれません。

早期発見・早期治療のすすめ

医学の進歩や食の変化によって、50代以上でも昔より元気な方が増えています。
しかし自分の健康を過信していると、突然の脳疾患に襲われてしまうことも。
そんな、今元気でいらっしゃる方にこそおすすめしたいのが、脳ドックです。

脳ドックは早期発見・早期治療につなげるために行われます。
脳卒中は50代・60代の方にとって、自分が発症するとは想像できない場合が多いのかもしれません。

しかし日々の悪い生活習慣などの積み重ねにより、脳や血管はダメージを蓄えていきます。
脳ドックでは、普段はまったく気にしていない、自分の脳の状態を知ることが可能です。
もし何らかの症状がみられるとしても、日々の暮らしを健康なものに変えていくことで、脳の病気が進行しないように心がけることができます。

実際には脳ドックって何をするの?

脳ドックではMRIと呼ばれる検査装置の中に入って、10分から15分ほどで脳を撮影します。
脳の内部(専門的には「脳実質」と呼ぶ)の構造や、脳・頸部(首のこと)の血管の状態を把握して、脳疾患があるかどうかを調べます。

検査からわかるのは以下のような症例。

・脳萎縮
・脳梗塞
・白質病変
・脳腫瘍
・脳微小出血 など

脳は症状がなくても悪くなっていることが多い器官。
アーティストやスポーツ選手などが、突然倒れて運び込まれるというニュースをときに耳にするはず。
有名なのでメディアが取り上げていますが、どんな方でもなる可能性があります。

脳ドックというものは、普段は気にかけていない脳の状態を、一度自分でしっかり知ることに価値があります。
「40代になったら一度は受けた方がいい」とも言われていますので、50代・60代でまだ一度も受けていない方には、ぜひおすすめしてあげるといいかもしれません。

詳しくはこちら

脳疾患にならないための生活習慣改善

脳疾患にならないためには、脳ドックなどの検診を用いると共に、以下の3点を考えるのが大切。

  • 良質な睡眠
  • バランスの取れた食事
  • 適度な運動習慣

長く健康でいるためには、健康な生活習慣を心がける必要があります。
しかし長年の習慣となっている生活の仕方を変えるのは、年齢が上がれば上がるほど難しいものです。
ご本人たちが「健康にいい」と思って実践していることも、科学の発展によって今では常識が塗り変わっていることも多々。
新しい情報を感度よく得ているみなさんから、ご両親に最新の情報を伝えてあげましょう。

良質な睡眠

睡眠にとっては規則正しい生活が重要です。眠る2時間半前を目安に入浴をすると、睡眠に入りやすくなります。
また起きてからも「朝の光をきっちりと浴びる」「日中に昼寝を取りすぎない」「夜は明るすぎる灯りのもとで過ごさない」などを心がけると、毎日良質な睡眠が取れるようになります。

バランスの取れた食事

ついつい美味しいものを食べたくなってしまいますが、塩や砂糖があまりにも多く使われている食事や、カロリーの高い食事のとり過ぎはからだにとって良くありません。
炭水化物の取りすぎも現代人にとっては大きな問題のひとつ。
3食すべて炭水化物を摂る必要はありませんので、1食をサラダだけで済ますのも効果的です。
野菜、果物、魚などを、なるべく食事に組み込みましょう。

適度な運動習慣

食べ物から得るエネルギーと、運動によって消費するエネルギーのバランスが保たれていると、健康な状態であると言えます。運動をしないと使わなかったエネルギーは脂肪となってからだに溜まります。
これが肥満につながり、ゆくゆくは糖尿病や高血圧や脂質異常症など、脳疾患の原因になる生活習慣病になります。

運動を生活の中に持ち込むには、今では様々な方法があります。
生活に取り入れやすい運動を無理のない範囲で始めると、習慣として生活の中に定着させることができるかもしれません。

まとめ|ご家族の健康寿命は延ばせる

健康はあるときには有り難さがわからないですが、なくなった瞬間に大切さがわかります。
特に脳疾患は発症した本人だけでなく、周囲の方のライフスタイルにも大きく関係してきます。

一般に「75歳以上から要介護の方が増える」と言われていますが、50代・60代でご家族に要介護の方が出てしまった家庭の大変さは、その比ではありません。

ぜひご自身でリーダーシップをとって、健康について一度ご家族で話してみてはいかがでしょう。
そうしたことが、ご両親や自分自身、また兄弟・姉妹を救うことになるはずです。

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