2021/07/19

脳・心疾患で労災の基準が緩和! 雇う側と雇われる側が知っておきたい話

検査
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監修医 知久 正明(ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

脳・心疾患を患って、働けなくなってしまう方が多いのはご存知ですか? 2021年6月に、労災の基準が20年ぶりに緩和されることになりました。これまでよりも申請がしやすくなり、保険もおりやすくなることが予測されます。近年は働き方の見直しがニュースになることが多く、社会的にも新しい価値観がもとめられています。この記事の中では、企業側も従業員側も知っておきたい、労災の最新情報をお届けいたします。
目次

労災ってなに?

労災とは、正しく表記すると、「労働者災害補償保険」のことです。
これは雇用される立場の人が、仕事に関連することで起きた怪我や病気、もっとひどい場合には死亡した時に保険給付を行う制度です。

労災の対象になると、療養費用の自己負担が少なくなり、休業時の手当も健康保険の傷病手当金よりも手厚いものになります。
もし過労死などで死亡したと労災で認定されると、給付を受けることが可能です。

脳・心疾患を患う人が多いわけ

日本人にとって脳・心疾患は、特に死因になることが多い疾患です。
労災と脳・心疾患の関わりが深いのは、これらが仕事のストレスなどで引き起こされている場合があるから。

しかしもちろん、仕事がすべての原因で人は脳・心疾患になるわけではありません。
例えば生活習慣が乱れていて、基礎疾患として高血圧・高脂血症・糖尿病を抱えている方がいるとします。
この完全に健康とは言えない状態の方が、業務的過労によって追い討ちをかけられることで、体を重篤な状態に追い込む脳・心血管が起きるというケースは多いでしょう。

労災の基準が20年ぶりに緩和

2021年6月、脳・心疾患の労災で基準が一部緩和されました。

表1 労災認定の目安(2021年6月22日 厚労省案)
脳・心臓疾患発症前の時期 月平均の残業時間
①1ヶ月 100時間超
②2~6ヶ月 80時間超
(新設) ①や②の残業時間に至らないが、それに近い時間で、休息時間や心理的負荷なども総合的に判断

これまでは、残業時間が定められている基準に満たない場合、なかなか労災が下りない状態が続いていました。
しかし近年の世相的な労働時間短縮の流れもあり、実際に働いている時間だけではなく、休息時間や心理的な負荷についても、総合的に判断が必要であると今回の変更で書き連ねられました。
事実上、基準が緩和されたことになります。

脳・心疾患で体調を崩す人が増えないために

過度な労働によって、労働者が体調を崩すことは、企業にとってもいいこととは言えません。
ブランドイメージの毀損や、社内からの不信感など、内部的にも外部的にも印象を悪くしてしまいます。

こうした問題が起きないようにできることのひとつに、従業員に健康を日頃から気をつけるように促す方法があります。
健康な体にとって大切なのは「運動」「食事」「睡眠」ですが、こうしたものが崩れていることは、案外自分では認識するのは難しいもの。

そこで企業としては従業員に脳ドックなどを受診してもらい、従業員が自分の健康状態に自分自身で危機感を持ってもらうように促すのは効果的かもしれません。

他人から「もっと健康な生活をした方がいいよ」などといわれても、人は行動変容をしないものですが、診断によって良くない数値が出たり、なんらかの所見を見つけられると意識が突然変わるものです。

高血圧の方の約半数に白質病変

脳ドックでは、高血圧を有する受診者の約半分に白質病変が見つかっています。

こうした検査を積極的に受診してもらって、雇用している社員自身に自分の健康への意識を高めてもらうことが、予期せぬ労災に関わる問題を起こさないことにつながるのではないでしょうか。

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