2021/06/11

大脳白質病変ってなに? 病変の仕組みや、種類・グレードについて解説

症状
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監修医 知久 正明(ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

大脳白質病変は、グレードが進行すると、重大な脳疾患につながると言われています。しかし加齢によっても起こる変化なので、症状が出ているからといって、必ずしも怯える必要はありません。この記事を読んでいただくと、大脳白質病変の仕組みや、健康にどんなリスクがあるか、またグレード(症状の進行度)についても理解することができます。
目次

白質と灰白質について

灰白質:神経細胞(ニューロン)の細胞体が存在している部位。
白質:神経細胞がなく、有髄神経線維ばかりの部位。(神経繊維とは、情報を伝えるための突起のことです)

大脳白質病変とは?

大脳の白質が病気になってしまう理由のひとつに、虚血があります。虚血とは血のめぐりが悪くなって、器官が酸素不足になっている状態のこと。
白質病変では、脳の細かな血管(毛細血管)に血液が流れなくなってしまい、部分的な変化が起きていると理解していただければ問題ありません。

本人にとっては無症状であることが多いですが、症状が進行してグレードⅣ(もっとも病変が進行しているグレードです)になった際には、認知機能が低下することが知られています。
また、脳血管疾患の発症も、合わせてリスクが高まることも知っておきましょう。

病変の仕組み

虚血には高血圧が関連しています。高血圧の状態が長いあいだ続いていると、白質に張りめぐらされている脳の細い動脈が硬化するからです。
細い動脈が伸びたり縮んだりすることをやめると、その周囲の細胞は酸素が足りない状態になり、次第に弱っていきます。
その結果として、血管から水分が漏れ出て、MRIで検査した画像を見たときに白いまだら状の模様が映し出されます。

大脳白質病変の種類とグレードについて

大脳白質病変は大きく2種類。

・脳室周囲白質病変(PVH)
・深部皮質下白質病変(DSWMH)

どちらも、グレード0(病変なし)からグレードⅣ(重度)までで評価されます。
グレードⅠからグレードⅢにかけては、「未病」と呼ばれる、病気に向かっている状態です。
この期間に高血圧管理及び生活習慣管理を行うことが、症状をグレードⅣへ進行させないために重要です。

脳室周囲白質病変(PVH)

脳室周囲白質病変(PVH)は、遂行機能の低下が関連していると言われています。
(※遂行機能・・・目標を決め、計画を作り、効果的に行動をするときに使う機能)

PVH:Periventricular(脳室周囲の) Hyperintensity(高信号)

深部皮質下白質病変(DSWMH)

深部皮質下白質病変(DSWMH)は、認知機能の低下が関連していると言われています。
(※認知機能・・・理解、判断、論理などの知的な機能)

DSWMH:Deep Subcortical (深皮質下)White Matter(白質) Hyperintensity(高信号)

症状

大脳白質病変は、自分では異変を感じることがない場合が多いです。ただ自分の動作を遅く感じたり、抑鬱的な気分が長くつづくなど、体に違和感を感じる方もいます。

大脳白質病変は加齢とともに自然となるものですが、過度に進行すると脳梗塞の要因になります。
高血圧の方は特に注意が必要。
もし大脳白質病変が見つかって「経過観察が必要」と言われた方は、脳ドックを定期的に受診することをおすすめします。

診断と治療

診断

大脳白質病変は、脳ドック(MRI・MRA検査)を行うことで見つけることが可能。
MRI検査では脳実質について調べることで、大脳白質病変だけでなく、脳梗塞・脳腫瘍・脳微小出血などの有無についても調べることができます。
またMRA検査では、脳と首の血管の状態を調べて、詰まり(狭窄)や動脈瘤の有無などを確認できます。

治療

血圧が高い場合には、薬などを用いた降圧治療を行います。
しかし基本的な対処法としては、動脈硬化に関係した疾患(高血圧・糖尿病・高脂血症)を進行させないように、生活習慣を見直して行くことが最も効果があります。
大脳白質病変はもとの状態に戻すことはできませんので、これ以上進行させないことを第一に考えて、生活を改善することが重要であると言えるでしょう。

まとめ

大脳白質病変は年齢の割に症状が早く進行していると、後々重大な脳疾患につながります。
生活習慣の乱れは、脳に起きる異変をどんどん加速させていきますので、運動・食事・睡眠などを見直して、脳疾患リスクを高めないように心がけることが大切です。

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