2021/07/01

肺がんに初期症状はある? 知っておきたい基礎知識と、コロナ禍の「隠れがん患者」について

症状
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監修医 知久 正明(ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

肺がんは症状として自分では気づきにくい、初期ステージでの発見が難しいがんです。日本人の死因でも上位にランクされるこのがんは、転移しやすく危険も高いです。初期症状の有無や、肺がんの組織による特徴など、知っておきたい基礎的な情報をまとめました。またコロナ禍での受診控えの影響についても言及いたします。
目次

肺がんとは?

肺がんは、空気が通る「気管支」や「気管」、酸素と二酸化炭素の交換を行う「肺胞」から起こるがんのこと。
肺を取り巻くように血管やリンパ管がありますので、これらに乗って全身に転移することがよく知られています。

肺がんの種類

肺がんは「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」に分けられます。
「小細胞肺がん」は肺がん全体の1、2割ほどで、「非小細胞肺がん」が肺がんの多くを占めています。

さらに細分化すると、がん細胞の組織によって以下の表のように分けられます。
肺がんの治療法を決めていくときには、この分類に沿って行います。

表1 肺がんの組織による特徴
組織による分類 特徴
非小細胞肺がん
(85〜90%)
腺がん ・肺がんで最も多い
・症状が出にくい
・進行が遅い
扁平上皮がん ・咳、血痰などの症状が出る
・男性に多い
・肺門(器官の近く)に多くできる
・喫煙との関連が大きい
大細胞がん ・進行が速い
小細胞肺がん
(10〜15%)
小細胞がん ・進行が速い
・転移しやすい
・喫煙との関連性が大きい

非小細胞肺がんの中でももっとも多いのが「腺がん」と呼ばれるもので、症状が外に出にくいのが特徴。

初期症状はある?

肺がんは初期症状が少ないことで知られ、自分で異変に気づくには、肺がんが進行してから、もしくは他の臓器への癌の転移が進んだ後であることが多くあります。

肺がんが進行した際には咳・痰・息苦しさを伴いますが、がん以外でも起きうる症状のため、見逃されることが多いです。

肺がんの発生要因

肺がんは肺細胞の遺伝子に傷がつくことで発生します。
腺がんの場合はタバコによる影響はありませんが、扁平上皮がんはタバコによる影響であると報告されています。

タバコには発がん性物質が何十種類も含まれているため、くり返し吸うことで細胞の遺伝子に変異が発生。
がん細胞は一度の変異で起きるわけではなく、何度も何度もくり返し変異が積み重なることで大きくなります

またタバコ以外の原因としては、アスベスト、ヒ素などの有害物質や、PM2.5などによる大気汚染も関係が深いとされます。

喫煙者は非喫煙者に比べて、男性の場合は4倍以上、女性も2.5倍以上の発生リスクになります。受動喫煙でも、2〜3割程度がん発生リスクが高まると言われます。

検査の方法

肺がんが疑われるときには、胸部レントゲン検査や胸部CT検査、喀痰細胞診、気管支鏡を用いた細胞検査を行います。胸水が胸腔に溜まっているときには、体内に針を刺して胸水にガン細胞が含まれているか確認します。

肺がんの進行度や、全身への広がりを調べるには、全身のCT検査や脳MRI検査、PET検査などを用います。

MRI検査について詳しく知りたい方はこちら

CT検査について詳しく知りたい方はこちら

治療の方法

肺がんの治療には、大きく分けると以下の治療があります。

手術療法
手術でがんを切除。

放射線療法
放射線を照射することでがんを死滅させる。

薬物療法
抗がん剤での治療。

手術療法と放射線療法は、「局所的療法」とも呼ばれ、がんを取り除く目的で行われます。
薬物療法は、これに対して「全身療法」と呼ばれ、転移してしまったがんへの対抗として行われます。

コロナ禍で「隠れがん患者」が多数発生?

2020年度は、肺がんの治療を受けた新規の患者が前年よりも6.6%減っています。
これは定期検診などの受診を控えた方が多くいることが関係しており、肺がんの隠れがん患者が増えていることを示唆しています。
肺がんは初期のステージで対処することが根治には必要な条件です。
ですから検診控えによる肺がんの見逃しが、コロナウイルスの二次的な被害と言っても過言ではないでしょう。

もしご自身や、身の回りの方が新型コロナウイルスの影響で2020年の健康診断を見送っている場合、肺のCT検査をぜひおすすめいたします。

早期発見と治療が最善

肺がんは病期(ステージ)が早期の発見であれば、多くの方が手術療法で根治を目指すことが可能です。しかしながら、肺で進行するがんは進行が進むまでは症状になって見えにくいです。

ゆえにやるべきことは、年に1回の肺の検査を受けること。
40歳を過ぎた方は、肺がん発見率が高い、肺CT検査などを毎年受診することが肺がん予防につながります。

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